2011/5/25

CIS諸国

ベラルーシ、36%の通貨切り下げ

この記事の要約

ベラルーシ中央銀行は23日、自国通貨ベラルーシ・ルーブルを大幅に切り下げると発表、翌24日に、公式レートを対米ドルで36%引き下げた。同国では、経常赤字の増大や自国通貨の買い支えで外貨準備が急減し通貨危機が深刻化しており […]

ベラルーシ中央銀行は23日、自国通貨ベラルーシ・ルーブルを大幅に切り下げると発表、翌24日に、公式レートを対米ドルで36%引き下げた。同国では、経常赤字の増大や自国通貨の買い支えで外貨準備が急減し通貨危機が深刻化しており、物価急騰を懸念する市民が買いだめに走るなど混乱が広がっている。

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中銀は24日、公式レートを23日の1ドル=3,155ベラルーシ・ルーブルから同4,900ベラルーシ・ルーブルに引き下げた。また、両替ルートの変動幅を公定ルートの2%以内に抑えるよう命じた。このところ、闇ルートでは1ドル=6,000ベラルーシ・ルーブル以上、銀行間取引では同8,000ベラルーシ・ルーブルまで下がる時もあり、今回の措置で通貨下落になんとか歯止めをかけたい考えだ。

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ベラルーシはユーラシア経済共同体から今後3年で最大35億ドルの緊急支援融資を受けることが決まっており、まず今夏に8億ドル、秋に4億ドルを受け取る予定。また、赤字削減のため、国営のガス輸送網運営・管理企業ベルトランスガスの資本50%を、残りの50%を保有するロシア国営ガス会社ガスプロムに25億ドルで売却することも計画している。

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ベラルーシでは24日に車両燃料が平均22%引き上げられるなど、物価上昇も進んでいる。給油ためガソリンスタンドに列をなした市民からは、物価急騰に対する政府の無策や今回の通貨切り下げに不満の声が上がっており、ルカシェンコ大統領の強権体制の弱体化につながる可能性もある。

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