2011/6/1

ロシア

露ネット検索最大手、米ナスダックで13億ドル調達

この記事の要約

ロシアのネット検索最大手ヤンデックスが5月24日、米ナスダックに上場し、13億米ドルを調達した。ネット企業の米国上場としては2004年のグーグル以来、最大の規模。新興ネット企業への投資意欲の高まりを示すもので、公募価格は […]

ロシアのネット検索最大手ヤンデックスが5月24日、米ナスダックに上場し、13億米ドルを調達した。ネット企業の米国上場としては2004年のグーグル以来、最大の規模。新興ネット企業への投資意欲の高まりを示すもので、公募価格は当初発表した仮条件(20~22ドル)を上回る25ドルに設定された。

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ヤンデックス株は初値で公募価格を大きく上回る35ドルをつけ、初日は終値38.86ドルで引けた。ナスダックの平均株価が9%安となったのに比べると対照的だ。終値を基にした時価総額は約80億ドルに相当する。

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売り出した株式のうち、自己株が1,540万株、ベアリング・ボストーク・キャピタル・パートナーズ(BVCP)やタイガー・グローバル・マネジメントなど既存株主の持ち株が3,680万株を占めた。ヤンデックスはまた、証券引受業者(アンダーライター)に対し、30日以内に520万株を追加購入するオプション権を認めている。

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ヤンデックスはロシアのネット検索市場シェア(利用数ベース)で66%の圧倒的なシェアを誇り、ユニークビジター数(一定の期間に1回以上サイトを訪れた人の数)は月間3,830万人に上る。事業モデルの確かさで定評があり、最大収入源であるネット広告が今後、大きく伸びる見通しであることから、同社の成長も確実視されている。ヤンデックスは調達した資金を技術・設備に投じるほか、世界展開に向けた買収に充てる可能性を指摘している。

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ブルームバーグによると、米国における新規株式公開(IPO)の年内実施を予告した企業はこれまでに230社に上る。これは2004年の232社に迫る数値で、市場環境の回復を示唆している。一概に市況が堅調とは言えないものの、新興ネット企業株への関心は高いようだ。ニューヨーク証券取引所に19日上場したビジネス向け交流サイト(SNS)の米リンクトインも、初日の終値が公募価格の2倍を超える好調なスタートを切った。

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