2011/6/8

総合・マクロ

中欧景況感が減速、製造業PMI指数が低下

この記事の要約

中欧3カ国の景気が減速している。ポーランド、ハンガリー、チェコの5月製造業購買担当者指数(PMI)は軒並み低下した。しかし、いずれも景気判断の分れ目となる50は超えており、成長基調が継続していることは確かだ。\ ポーラン […]

中欧3カ国の景気が減速している。ポーランド、ハンガリー、チェコの5月製造業購買担当者指数(PMI)は軒並み低下した。しかし、いずれも景気判断の分れ目となる50は超えており、成長基調が継続していることは確かだ。

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ポーランドのPMIは52.6で、昨年7月来で最低の水準に落ち込んだ。主要取引国の景気悪化が原因だ。アナリスト予測が54以上だっただけに、市場は驚きをもって受け止めている。来月も低下するようであれば下半期の経済成長予測の下方修正もありうる。4月は54.4だった。

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ハンガリーは昨年9月以来で最低水準の52.3だったが、景気の分岐点である50は11カ月連続で上回った。生産指数は17カ月連続、新規受注指数は12カ月連続で50を超えた。サプライヤー納期指数は4月に比べて延びたが、その延び幅は小さくなっている。購入資材在庫指数はごくわずかに増加した。雇用指数は引き続き50以上で、4月からやや改善した。購買量指数は50以上だったが4月の水準を下回った。完成品在庫指数はやや減少した。輸入指数は4月にくらべるとわずかに低下したが、13カ月連続で50を上回った。輸出指数も4月を下回ったものの、18カ月連続で50を超えた。

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チェコの5月PMIは55.9となり、昨年2月来で最低を記録した。依然として50を大きく上回っているが、構成指数もあわせ、景気の減速が明確になっている。

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構成指数をみると、新規受注指数は前月から増加したものの、上昇幅は昨年2月以降で最小だった。生産指数も24カ月連続で上昇したが、4カ月連続でペースが落ち、2009年12月以来で最も小さい上げ幅となった。雇用拡大も続いているが、その勢いは過去4カ月でもっとも弱いものとなっている。

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購入資材在庫指数が減少する一方で完成品在庫指数は増加した。増産のスピードを緩めたものの、需要がこれを上回るペースで軟化したもようだ。経済成長の減速と、資源・原材料相場の安定を反映し、購買・出荷価格指数はともに低下した。

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