2011/6/8

総合・マクロ

ドイツの大腸菌感染、中東欧にも影響

この記事の要約

ドイツを中心に欧州に拡大した腸管出血性大腸菌「O104」の感染が中東欧にも影響を与えている。キュウリやトマト、もやしなどが感染源として疑われているがいまだに感染経路は特定されておらず、風評被害が拡大。中東欧各国では小売市 […]

ドイツを中心に欧州に拡大した腸管出血性大腸菌「O104」の感染が中東欧にも影響を与えている。キュウリやトマト、もやしなどが感染源として疑われているがいまだに感染経路は特定されておらず、風評被害が拡大。中東欧各国では小売市場で生野菜の買い控えが広がっているうえ、欧州への輸出が激減した。さらにロシアへの輸出が禁止されたため、野菜栽培農家の間では欧州連合(EU)に損害賠償を求める声も上がっている。

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ロシアは2日、EU全域からの生野菜輸入を禁止した。当初はスペイン産キュウリなどが感染源と疑われたため、ドイツとスペインの野菜のみ輸入を禁じていたが、感染症が欧州各国へ拡大したことから、輸入禁止をEU全域に広げた。欧州委員会は世界保健機関(WHO)のルールに違反すると禁輸撤回を求めているが、プーチン首相は自国民保護の立場を崩していない。ただ、ロシアは野菜の約40%、そのうち3分の1をEUから輸入しており、禁輸が長引けば国内の野菜価格の上昇につながる恐れもある。ハンガリーは国内で生産される果物・野菜の10~15%をロシアに輸出しており、禁輸の長期化を懸念している。

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また、ルーマニア農業省は、国内のキュウリ栽培農家に対する賠償措置をEUに求めた。地元農家はチェコやドイツにキュウリを輸出できなくなったうえ、国内販売は70%も落ち込んでおり、今後2カ月で損失額は900万ユーロに上ると試算している。

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ドイツメディアの情報によると、6日までに国内の感染者数は2,000人以上に達し、21人が腎臓の機能が低下する溶血性尿毒症症候群(HUS)などで死亡した。スウェーデンでも1人の死亡が確認されている。また、ポーランド政府も6日、3人がHUSを引き起こして死亡したと発表した。

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