2011/6/8

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ブルガリアで米AESの褐炭火力発電所が稼動

この記事の要約

米電力会社のAESは3日、ブルガリア南東部のガラボヴォに12億ユーロを投じて建設したAESガラボヴォ褐炭火力発電所の操業を開始した。マリツァ東部鉱業発電複合施設を構成するもので、稼動した2基をあわせた最大出力はブルガリア […]

米電力会社のAESは3日、ブルガリア南東部のガラボヴォに12億ユーロを投じて建設したAESガラボヴォ褐炭火力発電所の操業を開始した。マリツァ東部鉱業発電複合施設を構成するもので、稼動した2基をあわせた最大出力はブルガリアの既存発電能力の9%に相当する600メガワットに上る。同発電所の稼動で、ブルガリアは再び南東欧最大のエネルギー輸出国として復権する見通しだ。

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同発電所は社会主義政権時代のマリツァ第1火力発電所を全面刷新したもの。脱硫装置の設置で有害ガスの除去率は99%に上り、欧州連合(EU)の環境基準を全面的に満たす。当初の出力は420メガワットで、年末までにフル稼働に移行する。AESはそれまでの期間、フル稼働時との発電量の差に対して、国営電力会社NEKに賠償金を支払う。

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燃料は現地で生産される褐炭を用いる。その量は、マリツァ東部鉱区の生産量の約30%に当たるという。また、発電された電力は今後15年間、NEKに供給する契約となっている。

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共産主義崩壊後のグリーンフィールド・プロジェクトとして最大規模の12億ユーロに上る建設資金は、欧州復興開発銀行(EBRD)、BNPパリバ、クレディ・アグリコールCIB、INGなど29行が融資した。

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AESガラボヴォ発電所は2006年に着工。昨年稼動する予定だった。しかし、行政の障壁や、仏アルストム製タービンに問題が生じたことから計画に遅れが生じていた。

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なお、同発電所が稼動していないにもかかわらず、NEKが顧客からその分の3%を上乗せして料金を徴収していたことが明らかになり、現在も監督庁(DKEVR)による調査が続いている。

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