2011/6/8

ロシア

独シーメンス、ロシア国鉄から20億ユーロの大型受注

この記事の要約

ドイツのシーメンスがロシア国鉄(RZD)から大型受注を獲得した。現地の輸送機械メーカー、シナラと設立したエカテリンブルグの合弁工場で、近距離列車240編成(約1,200両)を生産、2013年から納入する。受注規模はおよそ […]

ドイツのシーメンスがロシア国鉄(RZD)から大型受注を獲得した。現地の輸送機械メーカー、シナラと設立したエカテリンブルグの合弁工場で、近距離列車240編成(約1,200両)を生産、2013年から納入する。受注規模はおよそ20億ユーロに上る。福島第一原発の事故を機に、シーメンスがロシア原子力公社(ロスアトム)との提携解消を決めたことがロシア事業に影響を与えると危惧されていたが、今回の受注がその懸念をかき消した格好だ。

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シーメンスはすでに2009年にもRZDから54編成を5億8,000万ユーロで受注した。うち16編成はロシアで、38編成はドイツのクレーフェルトで生産される。

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シーメンスは、鉄道技術市場の大きな成長が見込まれるロシアを戦略的重点地域に指定している。ロシアは今後30年で3,000億ユーロを鉄道技術の近代化に当てる方針だ。

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■原発事業見直しへ

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シーメンスは2009年、合弁事業立ち上げでロスアトムと基本合意した。しかし、福島第一原発の事故を受けて需要見通しに影が差していることに加え、シーメンスのクリーンなイメージに原発事業がそぐわないと判断。独『ハンデルスブラット』紙の取材によると、社内ではすでに原発事業からの撤退を決定しているという。

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これを理由に、ロシアとの関係悪化が懸念されたが、今回の大型受注獲得をみると、提携解消について平和裏に交渉が進んだもようだ。

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シーメンスはロスアトムとの合弁に向けて仏アレバとの提携を解消した経緯がある。調停裁判所は先月、これを契約違反とするアレバの訴えを認め、シーメンスに6億4,800万ユーロの返済を命じている。

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