2011/6/15

CIS諸国

中国とカザフ、エネルギー・資源分野での提携強化へ

この記事の要約

中国の胡錦濤国家主席は13日、訪問中のカザフスタンでナザルバエフ大統領と会談し、原子力の利用や、ソーラー、風力発電など再生可能エネルギー分野での協力を進めることで合意した。両国関係の緊密化を図る戦略の一環で、中国にとって […]

中国の胡錦濤国家主席は13日、訪問中のカザフスタンでナザルバエフ大統領と会談し、原子力の利用や、ソーラー、風力発電など再生可能エネルギー分野での協力を進めることで合意した。両国関係の緊密化を図る戦略の一環で、中国にとってはカザフスタンの豊富な石油、ガス、鉱物資源を確保する狙いがある。

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両国は、エネルギー、資源、技術、医療・保健で提携することで合意。共同声明では、石油・ガスパイプライン拡充計画の迅速な実現を進めることも確認された。また、ナザルバエフ大統領は記者団に対し、年内に中国にウラン燃料の供給を開始することを明らかにした。

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今年2月の協定では、中国広東核電集団もカザフスタンとの提携を強化する方針となっている。中国石油天然気集団もカザフスタンへの投資に積極的だ。銅大手のカザフムイスは中国開発銀行から鉱床開発資金の融資を受けることが13日決まった。

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新華社電によると、両国は2015年までに貿易額を400億ドルに倍増させることでも合意。両国の中央銀行は13日に10億ドル規模の通貨スワップ協定を結んだ。期間は3年。

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胡主席は12日、カザフスタンに到着。15日に首都アスタナで開かれた中国、ロシア、中央アジア4カ国が加盟する上海協力機構の首脳会議に出席後、次の訪問地であるロシアに向かった。18日からさらにウクライナを訪問し、20日に帰国する予定だ。

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■中国開発銀、カザフムイスに15億ドル融資

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カザフムイスは13日中国開発銀行と、15億ドルの資金調達に向けて基本合意した。年末までに実施予定。アクトガイ鉱床の開発に投じ、最大取引先である中国の需要拡大に対応する方針だ。

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今回の融資は2009年の27億ドル融資を補完するもの。同資金で開発が進むボズシャコル鉱床とあわせ、現生産量の60%に当たる20万トンの増産を見込む。

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アクトガイ鉱床は推定埋蔵量が500トンに上るカザフムイス最大の鉱床だ。自己資金5億ドルとあわせ、総額20億ドルを開発に投資する。2015年から10万トンを生産する。

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中国開発銀から資金調達の目処が立ったため、以前に計画されていた中国・金川集団にアクトガイ鉱床の権益49%を売却する計画は撤回した。

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カザフムイスは17鉱山を運営するほか、10加工工場、2精銅所を操業する。昨年は自社で精製した銅から30万3,000トンの銅カソードを生産した。

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製品の60%を出荷する中国は最大の得意先だ。このため、ロンドン証取に加え、今月中に香港証取に上場する予定だ。その他の主な仕向け先としては、イタリア、スペイン、ドイツを中心とする欧州がある。

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今年はこれまでに7,500万ドルを新鉱床探索に投資した。現在保有する鉱床をあわせると30年以上生産できる規模がある。

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