2011/6/22

チェコ・スロバキア

チェコ国営電力、黒字の関連会社を競合に売却か

この記事の要約

チェコ国営電力のCEZが競合のEPHに、ドイツの褐炭会社MIBRAGを完全売却する案が浮上している。フバレティツェ発電所の売却契約で合意した長期の石炭供給に代わる措置として可能性を検討中で、今月末までに結論を出す見通し。 […]

チェコ国営電力のCEZが競合のEPHに、ドイツの褐炭会社MIBRAGを完全売却する案が浮上している。フバレティツェ発電所の売却契約で合意した長期の石炭供給に代わる措置として可能性を検討中で、今月末までに結論を出す見通し。チェコ週刊誌『Tyden』が消息筋の情報として報じた。

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CEZは2009年6月、EPHの大口株主であるJ&Tと共同でMIBRAGを買収した。取引総額は4億400万ユーロ。両社が株式の50%ずつを保有する。MIBRAGが黒字を生み出す優良資産であるだけに、CEZの売却案は業界関係者を驚かせている。

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CEZは、どの採炭地からも遠いフバレティツェ発電所をEPHに売却するに当たり、長期にわたって石炭を供給する条件を受け入れた。しかし、これを履行すると自社で使う燃料の質が落ちるリスクがあり、対案を探っているもようだ。

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また、CEZとJ&Tを競争法違反の疑いで調べている欧州競争当局が、正式調査に踏み切る公算が高いことも、その背景にあるとみられている。この調査は、「CEZとJ&Tが談合し、他社による電力事業参入を阻んでいる」としたCzech Coalの訴えなどがきっかけとなった。

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MIBRAGは旧東ドイツの2カ所で褐炭を採掘し、2発電所を運営している。褐炭の埋蔵量は約25年分の生産量に相当。昨年の税引き前利益は6,630万ユーロだった。

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