2011/7/6

ポーランド

ポーランドのメディア王、携帯大手ポルコムテルを買収

この記事の要約

ポーランドのメディア王、Zygmunt Solorz-Zak氏がポーランドの携帯電話2位ポルコムテルを買収する。買収額は同国の買収案件としては過去最大の151億ズロチ(55米億ドル)。債務と未払いの配当金を含めると181 […]

ポーランドのメディア王、Zygmunt Solorz-Zak氏がポーランドの携帯電話2位ポルコムテルを買収する。買収額は同国の買収案件としては過去最大の151億ズロチ(55米億ドル)。債務と未払いの配当金を含めると181億ズロチ(66億ドル)に上る。取引は独禁当局の承認を得た後、正式に成立する。Solorz-Zak氏と英ボーダフォンなどポルコムテルの株主が6月30日明らかにした。

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Solorz-Zak氏は今回、最終候補者に残った英ベンチャーキャピタル、エイパックス・パートナーズとノルウェー通信大手のテレノールを制して、ポルコムテル買収を決めた。同氏は中東欧2位の上場メディア企業Cyfrowy Polsatを所有しており、ポルコムテル買収により音声通信、高速ネット通信、テレビを一体化したサービスを強化するほか、第4世代の高速通信技術LTEの導入も急ぐ方針だ。買収額のうち135億ズロチは銀行団から借り入れたという。

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ポルコムテルに24%出資するボーダフォンは財務再建のため欧州やアジアで少数出資事業の売却を進めており、ポルコムテル株の売却益、約13億ドルも債務返済に充てる。残りの株式を握るポーランドの国営会社―KGHM(精銅)、PGE(電力)、PKNオルレン(石油)、Weglokoks(石炭)―は売却益を中核事業への投資に回す計画だ。

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ポルコムテルは2010年に28億3,000万ズロチの利払い・税・償却前利益(EBITDA)を計上。今年も同水準の収益を見込んでいる。加入者数は約1,400万人で、フランステレコム傘下のポーランド最大手TPSAとドイツテレコム傘下のPTCと首位争いを繰り広げている。(1PLN=29.73JPY)

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