2011/7/6

ロシア

アフトワズ、14年までに54億米ドル投資

この記事の要約

ロシアの自動車大手アフトワズは、今後3年間で1,530億ルーブル(54億米ドル)を投資して、7種の新型車を市場投入する。同社が強みを持つ低価格帯モデルを充実させて外国メーカーの追い上げをかわし、国内トップシェアを維持した […]

ロシアの自動車大手アフトワズは、今後3年間で1,530億ルーブル(54億米ドル)を投資して、7種の新型車を市場投入する。同社が強みを持つ低価格帯モデルを充実させて外国メーカーの追い上げをかわし、国内トップシェアを維持したい考えだ。

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アフトワズの乗用車ブランド「ラーダ」は国内市場で24%のシェアを誇る。ただ、2013年にはドイツを抜いて欧州最大の規模に拡大すると予想されるロシア市場で、大手外国メーカーはこぞって拡販に力を入れており、安閑とはしていられない状況だ。ゼネラルモーターズのシェアは現在8.9%、フォルクスワーゲンは7.5%だが、今年1~5月の販売成長率はラーダを凌駕している。

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投資会社VTBキャピタルのアナリスト、サフノバ氏は、「アフトワズが外国メーカー車との競争に打ち勝つためには、低価格を維持しつつ、品質の改善を図ることだ」と指摘する。価格の安さはラーダの最も大きな武器であり、モスクワやサンクトペテルブルクといった大都市以外の地域では、特に大きな威力を発揮するという。アフトワズのもう一つの大きな強みは、全国に385カ所ある充実したディーラー網だ。もっともサフノバ氏によると、外国メーカーも現地メーカーとの提携などにより生産・販売体制を着実に拡充させており、アフトワズの優位が揺らぐ日も遠くはないかもしれないと警告する。

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アフトワズは、提携する仏ルノーの支援を受け、同社の戦略小型車「ロガン」をベースとしたミニバンなどの新型車開発を進めているほか、「2107」、「2104」、「2105」といった主力モデルの後継車向けの低コスト車台も開発する計画。ラーダの販売台数を昨年の56万4,000台から今年は70万台に、20年には100万台に伸ばすことを目標に掲げている。

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