2011/7/6

ロシア

ロシア中銀、金利据え置き

この記事の要約

ロシア中央銀行は6月20日、政策金利であるリファイナンス金利を8.25%に据え置いたと発表した。物価上昇が減速したことに加え、欧州債務危機の余波で世界経済の回復が阻害される可能性があるためで、翌日物レポ金利と翌日物預金金 […]

ロシア中央銀行は6月20日、政策金利であるリファイナンス金利を8.25%に据え置いたと発表した。物価上昇が減速したことに加え、欧州債務危機の余波で世界経済の回復が阻害される可能性があるためで、翌日物レポ金利と翌日物預金金利もそれぞれ5.5%、3.5%に据え置いた。金融引き締めを一旦、中断した形だ。

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中銀は、新興5カ国(BRICS)中で最悪のインフレを食い止めるため、昨年12月から連続して、金利や預金準備率を引き上げてきた。5月のインフレ率は9.6%と過去19カ月で最高の水準となったが、先月27日時点では9.4%で、今年に入って最低となった。中銀は今年下半期の低下を予測し、今後数カ月は現在の金利水準を維持できるとみている。今年のインフレ目標はソ連崩壊後最低の6~7%。

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メドベージェフ大統領は今年1月、他のBRICS諸国と歩調を合わせるには今後5年間、年8%の経済成長が必要との見方を示している。しかし、今年1-3月期の成長率は前期比4.1%で、前期実績の4.5%から減速。さらに欧州危機の世界経済への影響が懸念される中で、米連邦準備制度理事会(FRB)が先月22日成長見通しを下方修正するなど、ロシア経済にとっては暗いニュースが続いている。

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中銀は、2月と4月に主要金利であるリファイナンス金利、翌日物レポ金利、翌日物預金金利のすべてを引き上げた。預金金利はこれに加えて12月と5月にも見直した。預金準備率も今年に入って3回引き上げた。

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ノルデア銀行は、物価の押し上げ効果がある個人消費と融資が拡大を続けていることから、中銀がリファイナンス金利を年内に0.25ポイント引き上げるとみる。預金金利も上昇すると予測する。

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中央銀行における銀行の預金総額は6月に7,980億ルーブル(286億米ドル)となり、1月から1兆4,000億ルーブル減少した。(1RON=2.91JPY)

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