2011/8/10

チェコ・スロバキア

チェコ中銀、金利据え置き

この記事の要約

チェコ中央銀行は4日、政策金利である14日物レポ金利を0.75%に据え置くことを決定した。6月の消費者物価上昇率(インフレ率)が1.8%となり、5月の2%から鈍化したことや、ユーロ圏や米国の財政問題で今後の世界経済の見通 […]

チェコ中央銀行は4日、政策金利である14日物レポ金利を0.75%に据え置くことを決定した。6月の消費者物価上昇率(インフレ率)が1.8%となり、5月の2%から鈍化したことや、ユーロ圏や米国の財政問題で今後の世界経済の見通しが不透明であることから、現行の低金利維持が妥当と判断した。デポジット金利とロンバード金利もそれぞれ0.25%、1.75%に据え置いた。チェコは、2010年5月以来、政策金利を過去最低の0.75%に設定している。

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チェコ中銀は同日、経済成長予測も修正し、今年の国内総生産(GDP)成長率を当初の1.5%から2.1%に引き上げる一方、2012年のGDPを2.8%から2.2%に下方修正した。13年は3.8%の高成長を見込んでいる。また、12年には付加価値税率が段階的に統一される予定のため、インフレ率が一時的に3%を超えるが、13年には中銀の目標値である2%以内に落ち着くとの見通しを示した。

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チェコ財務省は先ごろ発表した最新の経済見通しで、今年と来年のGDPを2.5%と予想。13年は3.3%、14年は3.9%と成長加速を見込んでいる。インフレについては、今年2.3%、来年は3.5%と予測している。

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■7月のインフレ率は1.7%

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チェコ統計局が9日発表した7月のインフレ率は前年同月比1.7%となり、5月の2.0%、6月の1.8%からさらに低下した。前月比では、ツアー旅行の価格上昇など季節要因の影響で、0.3%上昇した。

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前年同期比のインフレ率が減速した要因は、食品・非アルコール飲料価格の伸びが一部で落ち着いたため。ヨーグルト、牛乳、バターなど乳製品の価格上昇率は1桁台や10%台前半に低下したうえ、6月に1.1%上昇した果物価格は4.2%のデフレに転じた。ただ、小麦粉、パン、食用油、コーヒーなどの日常基礎食品は依然として20~40%と高い上昇率を示している。

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