2011/8/10

ロシア

ロシア中銀、金利据え置き

この記事の要約

ロシア中央銀行は月4日、政策金利であるリファイナンス金利を8.25%に据え置いたと発表した。7月の消費者物価指数上昇率(インフレ率)が予想を下回ったことや、世界経済の減速で今後、石油・ガスの需要が落ち込む恐れがあることが […]

ロシア中央銀行は月4日、政策金利であるリファイナンス金利を8.25%に据え置いたと発表した。7月の消費者物価指数上昇率(インフレ率)が予想を下回ったことや、世界経済の減速で今後、石油・ガスの需要が落ち込む恐れがあることが決め手となった。3カ月連続の据え置きは、ブルームバーグがエコノミスト21人を対象に実施した調査でも、全員が予想していた。翌日物レポ金利と翌日物預金金利もそれぞれ5.5%、3.5%に据え置かれた。

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5月に過去19カ月で最高の前年同月比9.6%に上昇したインフレ率は、6月には9.4%に低下し、今年の最低水準となった。さらに7月にはエコノミスト予想を下回る9%に鈍化。経済発展省のアンドレイ・クレパッチ次官は7月21日、通年のインフレ率が政府予想の6.5~7.5%内に収まるとの見通しを示した。中銀の今年のインフレ目標はソ連崩壊後最低の6~7%。

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アルファ銀行の主任エコノミスト、Natalia Orlova氏は、インフレ減速が8月も続けば、中銀が9月に利下げに踏み切る可能性を指摘した。

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■生鮮食品価格の下落でインフレ減速

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ロシア連邦統計局の5日の発表によると、生鮮食品価格の下落が7月のインフレ率減速に貢献した。生鮮野菜・果物価格は前月比で9.2%も下落。VTBキャピタルのアナリストによると、7月最終週は前週比で0.1%のデフレに転じた。今年下半期は農作物の好調な収穫が見込まれるため、インフレ率はさらに減速し、食品価格は世界的にも安定する見通しという。

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なお、物価変動の激しい食品と燃料価格を除いた7月のコアインフレ率は前年同期比で0.4%。年初から4.1%上昇した。

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