2011/8/10

CIS諸国

ズベルバンクとドイツ銀、ベラルーシ肥料大手に協調融資

この記事の要約

ロシア最大手銀行ズベルバンクがドイツ銀行と共同で、世界3位のベラルーシ国営肥料メーカー、ベラルーシカリに総額20億米ドルの融資を実施する。ズベルバンクのグレフ総裁が5日、プーチン大統領に報告した。融資の担保として、ベラル […]

ロシア最大手銀行ズベルバンクがドイツ銀行と共同で、世界3位のベラルーシ国営肥料メーカー、ベラルーシカリに総額20億米ドルの融資を実施する。ズベルバンクのグレフ総裁が5日、プーチン大統領に報告した。融資の担保として、ベラルースカリの株式35%と輸出契約を取得する。ドイツ銀は5日の時点で交渉の事実を認めたが、契約の成否についてはコメントを控えている。

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ロシア投資銀行のトロイカディアローグは、今回の取引がロシア政府のお墨付きを得ていることから、ロシア同業ウラルカリの大株主であるケリモフ氏がベラルースカリの経営権を取得する可能性が高くなったとみる。ウラルカリはベラルースカリと合弁で輸出会社を運営しており、6月28日時点で価格によってはベラルースカリの買収に関心があると発表していた。株式35%だけでも時価が融資額を大きく上回っており、今後の成り行き次第ではベラルースカリが割安な価格で売却されることも十分にありうる。

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財政破綻の危機にあるベラルーシ政府は、ベラルーシカリなど国営企業の民営化を計画している。

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ウラルカリとベラルーシ国営ベルタ通信の情報を総合すると、ウラルカリの世界カリ市場シェアは26%、ベラルースカリは16%に上る。合併が成立すれば、北米メーカーのポタシュ、モザイク、アグリウムの製品を取り扱うカナダ・カンポテックスのシェア(25%)に大きく水をあけることになる。

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