ハンガリー中央統計局(KSH)が16日発表した今年第4-6月期の国内総生産(GDP、速報値、未調整)は前年同期比1.5%増となり、伸び率は前期の2.5%増から大きく後退した。アナリスト予想(2.1~2.3%)も下回った。また、前期比(季節・労働日数調整済み)ではゼロ成長となった。
\GDPの25%を占める鉱工業生産は、1-3月期はユーロ圏向けの輸出が好調で前年同期から18%も増加した。しかし4-6月期は欧州、米国の債務危機や中国経済の減速で輸出需要が後退したことから、6~7%の伸びにとどまった。6月単月ではわずか1%増だった。
\今回の速報値を受け、北欧の金融グループNordeaのアナリストは、「中銀が年末に利下げに踏み切る可能性が高まった」と指摘。ただ、利下げでフォリント安がさらに進む恐れがあるため、フォリントの動向がカギを握るとしている。
\ハンガリー政府は7月後半、フォリントに対するスイスフランの高騰が進めば、フラン建てローンの返済がかさんで消費者購買力が低下し、GDPを0.5%下押しする恐れがあるとの見解を示した。16日時点でフォリントの対フランレートは年初から7%下落している。
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