中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/8/31

ロシア

墺航空機部品大手のFACC、露UACと合弁

この記事の要約

オーストリアの航空機部品メーカー、フィッシャー・アドバンスト・コンポジット・コンポーネント(FACC)は18日、ロシア国営航空機メーカーのユナイテッド・エアクラフト(UAC)と提携し、ロシア現地生産に乗り出すと発表した。 […]

オーストリアの航空機部品メーカー、フィッシャー・アドバンスト・コンポジット・コンポーネント(FACC)は18日、ロシア国営航空機メーカーのユナイテッド・エアクラフト(UAC)と提携し、ロシア現地生産に乗り出すと発表した。将来性のあるロシア航空機市場での地盤を固めるとともに、主要構造部品市場に新規参入する狙いだ。

\

UAC傘下のアエロコンポジットおよびロシア連邦タタルスタン共和国政府と合弁で、タタルスタン共和国の首都カザンに新会社を設立する。第一期工事の投資額は5,500万ユーロで、年内の着工を予定する。

\

来年3月から、国内旅客機の「スホイ・スーパージェット100」向けに複合材を使った主翼・尾翼部品を共同で生産する。カザン工場が稼動する2013年半ばまではオーストリアで製造する。新型航空機の部品の合弁生産も視野に入れる。

\

FACCはまた、エアバス、ボーイング、ボンバルディア、エンブラエルから受注を獲得し、合弁会社で生産する方向だ。

\

新会社に対するFACCの持ち株比率は当初24%。最終的に40%まで引き上げる計画だ。残りはアエロコンポジットが51%、タタルスタン共和国が9%を保有することになる。

\

FACCはロシア航空機メーカー向け開発支援サービスで地盤を固めたい意向だ。すでに、UACグループのイルクートが進める新中型旅客機「イルクートMS-21」の開発では、炭素繊維強化プラスチック製主翼ボックスのプロトタイプ2種を設計した。これが今回の提携に道を拓いたという。

\

FACCはドイツとの国境に近いリートに本社を構える。世界の主要航空機メーカーのすべてと取引があり、2011年2月期は2億7,180万ユーロの売上高を計上した。従業員数は1,600人弱に上る。

\
ロシア
COMPANY |
CATEGORY |
KEYWORDS |