三菱自動車は8月27日、同社の組み立て工場があるロシアのカルーガ州政府および同社のロシア販売店ロルフ・インポートと、同州の環境改善に向けた覚書を締結した。同州のエネルギー利用の効率化、環境条件の改善、二酸化炭素(CO2)排出削減のため、電気自動車(EV)を中心とした環境対応車の普及とインフラの整備を目指す。
\三菱自とロルフ・インポートは今年6月、モスクワ近郊のスコルコボのイベント会場で、EV「アイ・ミーブ(i-MiEV)」の試験販売を行った。ロシアではEV向けの付加価値税(VAT)の優遇措置や購入補助金など政府による支援制度がないため、普及は難しいと予想されるが、ロルフ・インポートのパンコフ最高経営責任者(CEO)はロシアEV市場の将来の発展に期待している。
\また、三菱自は同日、カルーガ州との間で文化社会貢献活動に関する覚書も交わした。同州に進出している唯一の日本企業として、地域住民に日本文化を紹介するほか、次世代育成など教育活動も行う計画だ。
\モスクワ南西部に位置するカルーガ州は首都に近い地の利と免税などの投資優遇制度を武器に数多くの大型投資を呼び込んでいる。三菱自とPSAプジョー・シトロエンが合弁工場を運営するほか、独フォルクスワーゲン(VW)、サムスン電子(韓国)、化粧品のロレアル(フランス)など国外大手企業が進出している。
\