2011/9/14

総合・マクロ

欧州委がガス供給でアゼルバイジャン・トルクメニスタンと交渉

この記事の要約

欧州委員会は11日、カスピ海天然ガスパイプラインの敷設に関し、欧州連合(EU)を代表してアゼルバイジャン、トルクメニスタン両政府との交渉を近く開始すると発表した。2007年のリスボン条約に基づいて、加盟27カ国が協定締結 […]

欧州委員会は11日、カスピ海天然ガスパイプラインの敷設に関し、欧州連合(EU)を代表してアゼルバイジャン、トルクメニスタン両政府との交渉を近く開始すると発表した。2007年のリスボン条約に基づいて、加盟27カ国が協定締結に向けた交渉を欧州委に委任する初めての例となる。EU外交筋は、早ければクリスマス前に枠組み協定が成立し、2017年からパイプラインが稼動するとみている。

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予定される天然ガス協定には、パイプラインの建設・運営についての詳細や、両国から欧州への天然ガス供給の条件などが盛り込まれる見通し。成立すれば実現が危ぶまれている「ナブッコ計画」が大きく前進する。

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ナブッコ計画は、カスピ海周辺国の天然ガスをトルコを経由して欧州に輸送する体制を整備するものだ。EUは天然ガス需要の約4分の1をロシアに頼っており、同計画で依存を弱めることを狙っている。

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カスピ海パイプラインの年間輸送能力は310億立方メートルの予定で、採算性確保にはアゼルバイジャンとトルクメニスタンから供給の確約を取り付ける必要がある。

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ナブッコ計画に対抗してロシアは「サウス・ストリーム・パイプライン」の敷設を計画している。7月にはナブッコ計画に出資するドイツのRWEが、サウス・ストリーム計画を主導するガスプロムと提携に向けて合意したこともあり、ナブッコ計画の実現性を疑問視する声があがっていた。

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