2011/9/14

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ルーマニア、風力発電の大幅成長に期待

この記事の要約

ルーマニアの風力発電に期待が集まっている。欧州風力エネルギー協会(EWEA)は8月に発表した報告書で、同国の風力発電能力が2020年までに現状の7倍の3,000~3,500メガワット(MW)に大幅拡大するとの観測を示した […]

ルーマニアの風力発電に期待が集まっている。欧州風力エネルギー協会(EWEA)は8月に発表した報告書で、同国の風力発電能力が2020年までに現状の7倍の3,000~3,500メガワット(MW)に大幅拡大するとの観測を示した。発電量が昨年の1テラワット時(TWh)から7~8TWhに拡大すれば、同国の総電力需要の11%を風力で賄うことができる。

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ルーマニア南部は、南欧諸国の中でも風力発電の成長余力が最も大きいとの指摘もあり、伊エネル、スペインのイベルドローラなど、国外のエネルギー大手による建設プロジェクトが活発だ。ルーマニア風力エネルギー局(RWEA)によると、同局に登録されているエネルギー企業の投資額は10億ユーロを超え、これまでに2,000人超の雇用を創出した。南西部のドブロジャ地方では風力パークが10箇所以上設置済みだ。黒海沿岸のコジャラツ近郊では、チェコのCEZが総発電能力600MWという欧州最大規模の内陸風力パークを、北東部のバスルイでは独Prowindが発電能力300MWの風力パークの建設プロジェクトを進めている。

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今年の設置済み発電能力は、昨年の462MWから1,000MWに倍増する見通しだ。ただ、系統電力網の送電能力の拡充が追い付いていないという問題がある。RWEAによると、昨年、送電網への接続を希望した風力発電所の電力量は、余剰送電能力の4倍に上ったという。

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