2011/10/5

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ノキアが3500人削減、ルーマニア工場は閉鎖

この記事の要約

携帯電話機世界最大手のノキア(フィンランド)は9月29日、2012年末までに従業員3,500人を削減すると発表した。うち2,200人がルーマニアのクルージュ工場の従業員。2008年に稼働した同工場は今年末に閉鎖されること […]

携帯電話機世界最大手のノキア(フィンランド)は9月29日、2012年末までに従業員3,500人を削減すると発表した。うち2,200人がルーマニアのクルージュ工場の従業員。2008年に稼働した同工場は今年末に閉鎖されることが決まった。残り1,300人については、フィンランドやハンガリー、メキシコの拠点が対象になる見通しだ。

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スマートフォン市場で苦戦するノキアは今年4月、コスト削減のため従業員7,000人を削減すると発表したばかり。今年第2四半期の市場シェアは、米アップルの攻勢で、前年同期の37.4%から20.9%に落ち込んだ。台湾のHTCなどの台頭で価格競争も激しさを増している。

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ノキアは2008年、ドイツのボーフム工場を閉鎖し、低コストのルーマニアに生産を移管。同国北西部のクルージュ・ナポカ市の工業団地に6,000万ユーロを投じて工場を新設し、同年2月にローエンド携帯電話機の製造を開始した。ただ、その後、欧州では高性能のスマートフォンの人気が高まり、従来の携帯電話機の需要は大幅に減少している。このため、ノキアは同工場の閉鎖を決定。今後、ローエンド携帯電話機の需要が見込め、生産コストの低いアジアに生産拠点を移す計画だ。

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ボーフム工場の閉鎖の際、地元ノルトライン・ヴェストファーレン州政府は、ノキアが補助金交付の条件を満たしてこなかったとして、6,000万ユーロの返還を要求。最終的に、ノキアが2,000万ユーロを支払うほか、同工場の売却収入も提供することで和解した。クルージュ・ナポカも工場誘致のため、道路などのインフラ整備に1,500万ユーロを投じており、ノキアに同投資額の返還を求めていく方針だ。

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■クルージュ工場、ボッシュが引き継ぐ可能性

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自動車部品大手の独ボッシュが、ノキアが年末に閉鎖するクルージュ工場を引き継ぐ可能性が出てきた。クルージュ県の知事が現地メディアに明らかにしたところによると、ボッシュはルーマニアの工業団地に生産拠点を設ける計画で、現在、現地の関係当局と交渉を進めている。ノキアは工場閉鎖後、同設備を他の会社に譲渡してもいいとしており、ボッシュが譲り受ける可能性もあるという。

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ボッシュはルーマニアのブカレスト、ブラジに生産拠点、ティミショアラにコールセンタを持つ。同国での昨年の売上高は約1億6,100万ユーロだった。新工場ではまず約1,000人を雇用する計画という。

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