2011/10/5

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

フィッチ、スロベニア国債を格下げ

この記事の要約

大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは9月27日、スロベニア国債の長期信用格付け(外貨建て・自国通貨建て)を「AA」から「AAマイナス」に引き下げた。銀行業界の財務内容が悪化していることや、財政再建が難航していること […]

大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは9月27日、スロベニア国債の長期信用格付け(外貨建て・自国通貨建て)を「AA」から「AAマイナス」に引き下げた。銀行業界の財務内容が悪化していることや、財政再建が難航していることが理由。スロベニアは中東欧諸国の中で最も高い格付けを確保しているが、フィッチは今後さらに格下げする可能性もあると示唆している。

\

スロベニアの銀行の不安材料は、不良債権比率が6月末時点で平均14.8%と非常に高いうえに、引当率が低いことだ。フィッチの試算では、不良債権比率が18%に上昇し、資本投資の50%を償却しなければならなくなった場合、自己資本比率の悪化を改善するため31億ユーロ相当の増資が必要になる。国内業界上位2行であるNova Ljubljanska BankaとNova Kreditna Banka Mariborの大株主が国であることから、公的資金注入を余儀なくされれば財政が更に悪化するのは必至で、新たな格下げの要因になると見られる。

\

フィッチに先立ちムーディーズも23日、スロベニアの信用格付けを「AA3」に引き下げ、「中期的な経済成長リスクあり」と指摘した。ユーロ圏では、今年に入りすでにイタリア、スペイン、アイルランド、ポルトガル、キプロス、ギリシャが格下げされており、財政危機の深刻化への懸念が強まっている。

\