2011/10/5

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

トルコ自動車業界が好調、販売・生産で記録更新へ

この記事の要約

トルコの自動車業界が活況を呈している。上半期の販売台数は44万5,090台(うち、輸入車が60%弱)で、通期では過去最高の85万~100万台に上ると予測される。上半期生産台数も14.9%増の64万5,000台で記録更新が […]

トルコの自動車業界が活況を呈している。上半期の販売台数は44万5,090台(うち、輸入車が60%弱)で、通期では過去最高の85万~100万台に上ると予測される。上半期生産台数も14.9%増の64万5,000台で記録更新が確実視されている。輸出比率は1.2ポイント減の67.7%に縮小したものの、台数ベースでは3.9%増の42万850台を記録した。通年の輸出高は180億~200億米ドルと推測される。工場稼働率は84%で、定員15~25名の中型バス(56%)を除くすべての車種で稼働率が向上した。

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販売内訳をみると、今までより大きいモデルの人気が高まっていることがわかる。ミニとコンパクト(A/Bセグメント)が38%と2年前から3ポイント減少したのに対し、小型車(Cセグメント)は46%に増加した。高級車も前年と比べ販売台数が121%も増加した。

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1-7月の乗用車・小型商用車ブランド別販売シェアでは、フィアットが15.2%とフォード(15.1%)を僅差で抑えて1位。3位以下はルノー(14.1%)、フォルクスワーゲン(9.7%)、オペル(6.2%)となった。奇瑞汽車、吉利汽車、東風汽車などの中国勢は0.9%で変わらなかった。

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5月現在のトルコ自動車登録総数は1,411万台で昨年末から3%増加した。うち、乗用車が782万台、小型商用車が250万台、トラックが73万台、バスが60万台、二輪車が242万台だった。また、トラクターは142万台となっている。

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■トルコ生産強化の動き

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景気回復で投資が復活し、商用車を中心にトルコでの生産が強化されつつある。12トン超トラックの上半期出荷台数は1万台増加し、前年同期の2倍以上に拡大した。12トン以下のトラックも大きく伸びている。

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メーカー別で増産率が高かったのは、メルセデス・ベンツ(87%)、BMC(62%)、アナドルいすゞ(53%)、MAN(51%)だった。フォード・オトサンも小型商用車生産の伸び率が、競合のルノーとフィアットを上回った。

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フォード・オトサンのコジャエリ工場は、欧州事業の重要拠点の一つと位置づけられている。小型商用車の研究開発、次世代「トランジット」の生産施設整備に対し、すでに6億3,000万ドルを投資したが、さらに2億500万ユーロを研究開発および新モデル生産に投じる。これにより、生産能力を40万台に引き上げる。エスキシェヒル工場はブラジル・サンパウロ工場と並び、来年から新型トラック「カーゴ」を生産する。

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ルノー日産は日産ブランド車の生産で地元のオヤクグループと提携し、南部イスケンデルンに工場を建設する方向で調査を進めている。また、サルコジ仏大統領の反対を押し切って、2013年市場投入予定の新型「クリオ」をブルサ工場で生産する計画だ。手始めに「クリオRS」の生産をフランス北部のディエップ工場からブルサ工場に移管する。ブルサではルノーブランドの8モデルを生産することとなる。年産能力は36万台。

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現代アッサンはイズミット工場の生産能力を現在の10万台から2015年までに20万台へ倍増させる。これに向けて2億ユーロの予算を組んでいる。来年は「アクセント」の製造停止で生産車種が「i20」に絞られるが、2013年にも他のモデルが加わる予定だ。中期的には欧州市場を標的とした3モデルの生産を計画している。

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トヨタはサカリヤ工場で、「アウリス」に代わって2012年末から「カローラ」を再び生産する。国内販売比率を20%に引き上げる考えだ。

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MANのアンカラ工場では1,500万ユーロを投資してバス車体塗装設備を整備した。

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