2011/10/5

ロシア

ユーロケム、独BASFの肥料工場買収

この記事の要約

独化学大手のBASFは27日、ベルギーのアントワープにある肥料工場をロシアの農業化学メーカー、ユーロケムに売却する契約に調印したと発表した。今後さらに肥料合弁会社PEC-Rhinの資本50%も譲渡する計画で、取引価格は合 […]

独化学大手のBASFは27日、ベルギーのアントワープにある肥料工場をロシアの農業化学メーカー、ユーロケムに売却する契約に調印したと発表した。今後さらに肥料合弁会社PEC-Rhinの資本50%も譲渡する計画で、取引価格は合わせて約7億ユーロに上る見通し。

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ユーロケムは無機肥料でロシア最大手。ロシアの大物実業家、アンドレイ・メルニチェンコ氏が経営権を握る。ユーロケムのDmitry Strezhnev最高経営責任者(CEO)は、BASFからの資産取得について、「欧州市場でのプレゼンスを拡大するという成長戦略における重要なステップだ」とコメントした。

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今回の取引は、ユーロケムが10%を出資する独肥料メーカーのK+Sにも影響を与えそうだ。K+Sは、BASFの窒素肥料の販売を手がけているが、本業であるカリ肥料生産に専念するため、販売契約が切れる2014年を待たずに、窒素肥料の販売事業を譲渡する可能性を示唆している。

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独大手銀行ウエストLBのアナリスト、ヴォルフガング・フィックス氏は、「東欧で存在感を持つユーロケムは、西欧市場に参入する足がかりとしてK+Sの販売網を活用することに関心を持っている可能性は高い」と指摘。ユーロケムがK+Sから販売事業を取得する可能性があるとの見方を示した。

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