2011/10/19

ロシア

製薬の独バイエル、ロシア現地生産へ

この記事の要約

製薬大手の独バイエルが先月19日、ロシアのエカテリンブルグに本拠を置くユノナ・ホールディングと提携に向けた基本合意に調印していたことが、このほど明らかになった。現地生産のほか、開発、販売に共同で当たることを視野に入れてい […]

製薬大手の独バイエルが先月19日、ロシアのエカテリンブルグに本拠を置くユノナ・ホールディングと提携に向けた基本合意に調印していたことが、このほど明らかになった。現地生産のほか、開発、販売に共同で当たることを視野に入れている。ロシアは世界でも有望な市場の一つであり、政府が国内生産を促す政策をとっていることから、これまでにもノバルティス、アストラゼネカ、グラクソスミスクライン、ロシュ、ファイザーなどが現地工場建設やロシア企業との提携を決めている。

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政府の支援を受けてユノナなどが整備しているウラル・ファーマシューティカル・クラスタ(UFC)のペトロフ理事によると、バイエルはまず、現在ロシアに輸出しているX線造影剤を現地生産に切り替える。来年初めにも工場を稼働させる予定だ。生産能力は明らかにされていない。

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ユノナのペトロフ社長によれば、バイエルは売上規模で1億8,000万ユーロと小さいロシア事業拡大に向けて、積極策を長期にわたって検討してきたという。

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ロシアは中国やブラジル、インドと並び、医薬品市場の成長が目覚ましい国の一つで、2018年までにその規模は500億米ドルに達すると見込まれる。医療市場調査会社のIMSヘルスによると、主な新興国の医薬品支出は今後5年で合計2,850億~3,150億米ドル規模に達し、2010年比で倍増する見通し。

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ロシアは医薬品の多くを輸入に頼る。政府は国内生産の促進により輸入比率を引き下げる考えだ。UFCへの進出を検討している外国の製薬会社は現在、10社に上っている。

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