独総合電機大手シーメンスは、ロシアの提携企業と共同で今後3年間に同国に10億ユーロを投資する。ペーター・レッシャー社長が17日、モスクワでロシアのプーチン首相との会談後に明らかにした。
\シーメンスは、レニングラード、スベルドロフスク、ボロネジ、ペルミの4州で新規事業の立ち上げあるいは既存事業の拡大を計画している。最大規模の投資となるのは発電用ガスタービンの生産・メンテナンス事業で4億ユーロを投資する。このうち、レニングラード州サンクトペテルブルクでは、ロシアのタービン・発電機大手パワーマシーンとの大型タービン生産事業に2億7,500万ユーロを投じる。残り1億2,500万は、小型タービンの工場設立に投資する方針だが、具体的な内容は明らかにされていない。
\スベルドロフスク州では、ロシア貨物機関車メーカー、シナラとの電気機関車・車両の組み立ての合弁工場の設備を拡張するため、2億ユーロを投資する。エネルギー分野では、ロシアの民生・軍事用エンジン大手ユナイテッド・エンジンと水力発電大手ルスハイドロの2社と提携して、風力発電用タービンや風車ブレードを生産する。
\このほか、ボロネジ州では1億1,500万ユーロを投じて開閉器や高圧トランスの単独工場を建設。ペルミ州では電気機関車・車両の部品工場を拡張する。さらに、モスクワ近郊のスコルコボに誕生するロシア版シリコンバレー、スコルコボ技術革新センターに設立する研究開発拠点に4,000万ユーロを投資する。これらの設備投資で、同社のロシアの従業員数は現在の4,000人から3年後には2倍に拡大する見通しだ。
\シーメンスの2010年度のロシア売上高は12億ユーロ、受注高は26億ユーロに上った。
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