2011/11/2

ロシア

7-9月期GDP成長率は5.1%

この記事の要約

ロシアのクレパッチ経済発展省次官は10月25日、2011年7-9月期の国内総生産(GDP)が前年同期から5.1%増と、四半期ベースで2008年7-9月期以来の高い伸びとなったことを明らかにした。1-9月期のGDP成長率は […]

ロシアのクレパッチ経済発展省次官は10月25日、2011年7-9月期の国内総生産(GDP)が前年同期から5.1%増と、四半期ベースで2008年7-9月期以来の高い伸びとなったことを明らかにした。1-9月期のGDP成長率は4.2%と、政府予測を0.1%上回った。

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クレパッチ次官は、7-9月期のGDP成長率が高水準だったことを評価し、「成長のペースが上がっていると」と述べた。ただ、10-12月期について3.8~3.9%に伸びが鈍化するとの見通しを示した。

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先月発表された9月の鉱工業生産は前年同月比3.9%増と、2年ぶりの小幅な伸びにとどまり失望を誘う内容だったことから、ロシア経済の先行きを懸念する声が一部に出ていたが、今回の発表されたGDP統計はそうした不安を打ち消し、ロシア経済の堅調さを示したとも言える。ただ、アナリストからは、過度な楽観は禁物だとの声も出ている。HSBCモスクワ支店のチーフエコノミスト、モロソフ氏は、「輸出と鉱工業生産の減速、世界経済のリスクが高まっていることを考えると、成長率は9月の5.7%をピークに右肩下がりとなる可能性が高い」と指摘する。コンサルティング大手キャピタルエコノミクスの新興市場担当チーフアナリスト、シェアリング氏は、12年のロシアの成長率を3.0%と予測、「先進諸国の悲惨な見通しと比べればそれほど悪くはないが、GDPが世界金融危機以前の水準をようやく回復した状態であることを考えると、3%という伸び率には失望するだろう」と述べている。ロシア政府は12年の成長率を3.7%と予測している。

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