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2011/11/2

ロシア

ロシアの経済近代化計画、減速か

この記事の要約

メドベージェフ大統領の下で進められてきた経済近代化計画が縮小されるもようだ。現地英字紙『モスクワタイムズ』が10月27日付で報じたもので、その根拠として政府予算額の激減を上げている。\ 近代化委員会及びそのプロジェクトに […]

メドベージェフ大統領の下で進められてきた経済近代化計画が縮小されるもようだ。現地英字紙『モスクワタイムズ』が10月27日付で報じたもので、その根拠として政府予算額の激減を上げている。

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近代化委員会及びそのプロジェクトに対する予算は2010~12年に各100億ルーブル計上されたが、13年は63億ルーブル(2億300万米ドル)、14年は36億ルーブルに減額される計画だ。政府は全38プロジェクトのうち10プロジェクトが14年の時点で完了するためと説明している。新しいプロジェクトは予定されていない。

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メドベージェフ大統領は26日、モスクワ・ナノテクノロジーフォーラムの開会式で、近代化計画の縮小はないと発言している。ただ、「革新的プロジェクト補助予算」は2012年の715億ルーブルから13年には278億ルーブルに減少する。ロシア版シリコンバレーの創設を目指すスコルコボ計画についても、同じように220億ルーブルから171億ルーブルへの減額が予定されている。政府系ナノテク企業のロスナノは13年以降、国家から資本注入がストップする。

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スコルコボ財団とロスナノは政府支援の縮小について、以前から予定されてきたこととコメントしている。プロジェクトを立ち上げるためには助成が必要だったが、その後は投資会社やプロジェクト参加企業による投資や、対外経済銀行(VEB)からの融資で資金がまかなえるとの立場だ。

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ただ、有力経済紙『ベドモスチ』によると、近代化委員会やその下部組織の招集間隔が長くなりつつあるという。また、政権党「統一ロシア」の綱領は近代化を最優先課題の一つと位置づけているが、「我々のニューエコノミー」の項ではそれについて、何の言及もなされていない。このようなことからも近代化計画が減速する可能性は強いとみられる。(1RUB=2.54JPY)

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