中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2011/11/30

チェコ・スロバキア

チェコの電気料金、12年は上昇

この記事の要約

チェコの家庭向け電気料金は2012年に平均で前年比3.4%引き上げられる見通しとなった。エネルギー規制局(ERU)のヴィタースコヴァー局長が22日、記者会見で明らかにした。中小企業向けの電気料金は4.3%、大企業向けも6 […]

チェコの家庭向け電気料金は2012年に平均で前年比3.4%引き上げられる見通しとなった。エネルギー規制局(ERU)のヴィタースコヴァー局長が22日、記者会見で明らかにした。中小企業向けの電気料金は4.3%、大企業向けも6.0~6.6%それぞれ引き上げられる。

\

同局長は電気料金が上昇する理由として、昨年の太陽光発電ブームによって大きく増加した買取コストが電気料金に上乗せされるためと説明。加えて、ドイツが原子力発電の撤廃を決定したことを受けて、電気の卸売価格が値上がりしていることも影響していると述べた。

\

チェコでは手厚い補助制度を背景に太陽光発電が急成長し、エネルギー規制局(ERU)の統計によると、太陽光発電の累積設置容量は1,820メガワットとドイツ、イタリア、スペインに次いで欧州4位につけている。一方で太陽光発電関連の支出は国家財政の大きな負担となっていることから、政府は太陽光発電に対する課税や固定買取価格の引き下げなどを決定、急速な拡大に歯止めをかける方針に転じた。ヴィタースコヴァー局長は、こうした方策にもかかわらず、再生可能エネルギーは今後数年間にわたって電気料金を上昇させる要因になるとの見方を示した。

\

チェコの電気料金は2010年10月から11年9月にかけて、およそ10%上昇した。

\