2011/12/7

総合・マクロ

ポーランド、ハンガリーの経済見通しを引き下げ=OECD

この記事の要約

経済協力開発機構(OECD)は11月28日に発表した最新経済見通しで、ポーランドとハンガリーの今後の成長率予想を5月の数値から大幅に引き下げた。ポーランドについては2012、13年の予想を共に3.8%から2.5%に下方修 […]

経済協力開発機構(OECD)は11月28日に発表した最新経済見通しで、ポーランドとハンガリーの今後の成長率予想を5月の数値から大幅に引き下げた。ポーランドについては2012、13年の予想を共に3.8%から2.5%に下方修正した。欧州の債務危機や財政引き締めが経済を下押しすると見ている。一方、11年の成長率予想は前回発表の3.9%から4.2%に上方修正した。

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OECDは、「財政緊縮や外需の低迷が個人消費や投資に悪影響を与える」として、「12年と13年の国内総生産(GDP)成長率は著しく減速する」と予測。ただ、ズロチ安と来年開催される欧州サッカー選手権(ユーロ2012)の効果で輸出が拡大し、弱い内需を一部相殺する可能性があると指摘する。

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トゥスク政権は公的債務の対GDP比率を今年の52.8%から12年は52.0%に、15年には47%に、財政赤字の対GDP比率を今年の5.8%から来年は3%、15年に1%に引き下げることを目標に掲げている。OECDは、「これまでにトゥスク政権が表明している財政再建策はこの目的を達成するのに不十分だ」と指摘。信頼性を高めるため、追加の財政措置を早急に打ち出す必要があるとの見方を示した。

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■ハンガリー、12年はマイナス成長に

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また、ハンガリーの経済見通しについては、2011年の成長率予想を2.7%から1.5%に、12年は3.1%からマイナス0.6%にそれぞれ大幅に下方修正した。OECD加盟国で12年にマイナス成長が予想されているのはギリシャ、イタリア、ポルトガル、ハンガリーの4カ国だけ。

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OECDはハンガリーの景気悪化の要因として、◇企業や消費者の景況感の悪化◇銀行の融資引き締め◇企業や家計におけるデレバレッジの進行◇政府による財政緊縮策――を挙げ、「国際機関との合意を通じて政策の信頼性と予測可能性を向上させることが、投資家の信頼を確保し、財政緊縮策の影響を緩和して成長軌道を回復するために必要だ」と述べた。ハンガリー政府は先月、通貨フォリントが下落するなど信用不安が台頭したことを受け、国際通貨基金(IMF)と欧州連合(EU)に支援を要請した。経済省によると、近くIMFの代表団が同国を訪れ、支援内容について協議を行うという。

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OECDは、ハンガリーの財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を11年に4%、12年に3.4%、政府財務残高を対GDP比で11年に84.2%、12年は85.1%とそれぞれ予想している。

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