2011/12/14

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

トルコ経済の過熱懸念去らず、最新のマクロ経済指標発表

この記事の要約

トルコ経済の過熱が依然として懸念されている。高水準の経済成長が続く一方でインフレが高進し、経常収支が悪化しているためだ。中央銀行の金融政策が一般的な手法と異なっていることも懸念を強めている。\ 同国統計局が12日発表した […]

トルコ経済の過熱が依然として懸念されている。高水準の経済成長が続く一方でインフレが高進し、経常収支が悪化しているためだ。中央銀行の金融政策が一般的な手法と異なっていることも懸念を強めている。

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同国統計局が12日発表した2011年7-9月期の国内総生産(GDP)は実質ベースで8.2%拡大し、予想の6.6%を2.4ポイントも上回った。四半期ベースでの経済成長は8期連続。1-9月期では9.6%の増加を記録した。7-9月期は季節調整値で前期比1.7%の上昇となり、今年に入って上げ幅が最大となった。労働日数調整値は前年同期比7.7%増で、4-6月期の8.3%よりも0.6ポイント縮小した。

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10月の経常赤字は前月の68億ドルから42億ドルに改善した。ただ、2010年11月~2011年10月の経常赤字は786億米ドルの過去最高を記録した。GDP比で10%の規模で、昨年通期の6.7%を大きく上回っている。

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11月の消費者物価指数(CPI)は前年比9.5%の上昇となり、過去18カ月で最高を記録した。前月比では1.7%増。過去12カ月の平均は6.13%だった。

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バシュチ中銀総裁は10月の金融引き締め策が効果を表し、トルコ経済が「軟着陸」に向けて速度を落としつつあるとコメントした。インフレ対策についても現時点では追加的措置は必要ないとの立場を示した。

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しかし、国際通貨基金(IMF)は7日発表のリポートで逆の見方を示し、景気が急速に減速するリスクが高まっていると警告している。「中銀は預金準備率、金利変動幅と政策金利を組み合わせ、型破りな金融政策を採ってきたが、物価・財政の安定確保に至っていない」との見方だ。

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中央銀行は10月、主要政策金利である7日物レポ金利を史上最低の5.75%で維持する一方、翌日物貸出金利を9%から12.5%に引き上げて金利変動幅を広げた。また、リラの流動性確保を狙い、預金準備率を引き下げた。

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米投資銀行ゴールドマン・サックスは12日、来年のトルコ経済成長率を0.5%とする予測を発表した。今年末から来年にかけて2四半期連続で縮小し、その後はユーロ圏の経済が現在より安定することで成長に転じると分析している。

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