2012/1/4

CIS諸国

カザフスタンで化学製品の需要拡大、輸入に大きく依存

この記事の要約

景気回復による投資活動の活発化や賃金上昇で、カザフスタンの化学製品需要が拡大している。しかし、国内生産では需要がまかなえず、多くを輸入に頼っているのが現状だ。石油化学、化学肥料、後発医薬品、プラスチック管など一部の産業分 […]

景気回復による投資活動の活発化や賃金上昇で、カザフスタンの化学製品需要が拡大している。しかし、国内生産では需要がまかなえず、多くを輸入に頼っているのが現状だ。石油化学、化学肥料、後発医薬品、プラスチック管など一部の産業分野では生産能力整備に向けたプロジェクトが進行中だが、全体として化学製品の国外依存は今後も継続するとみられている。

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石油・ガスなどの資源採掘業では設備投資でプラスチック管の需要が拡大。食品産業でも包装材としてプラスチックの消費が増えている。既存設備の40~80%が老朽化しているといわれるカザフスタンでは、設備更新需要も高く、エンジニアリング企業の商機が膨らんでいる。

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2010年から実施中の化学増産計画では、化学肥料、尿素、合成ゴム、農薬、家庭用化学製品を中心に、14年までに総額114億米ドルを投じる予定となっている。これにより14年までに年産規模を15億ドルに引き上げる。

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石油化学大手3社の近代化計画では2015年までに◇エタン、ベンゾール、ポリエチレン、合成ゴムおよびメタノールの工場設置◇加工比率を2008年の75%から87%に拡大◇石油加工能力を1,750万トンに強化◇高品質ガソリンの生産能力拡大――を達成することを目標としている。

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化学メーカーが国内総生産に占める比率は現時点で3%にも満たない。主な製品はリン、化学肥料、クロム塩、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムなどとなっている。リン・化学肥料の主なメーカーはカズホスフェートとカズアゾト(KazAzot)だ。ASCHSは6工場でクロム酸ナトリウムなどを製造している。化粧品・家庭用化学製品ではウルカー・コスメティクス(Urker Cosmetic)が唯一の大手メーカーだ。

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プラスチック・ゴム製造業界では、アティラウとタラズにポリエチレン管工場があるほか、プラスチック加工のプラスチック・ユーロスタンダード、KSCプラスト、SDTグループ、ユーラシアン・インダストリアル・ケミカルの名があげられる。大手製薬メーカーではキムファーム(Chimpharm)がある

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化学、プラスチック、ゴム、薬品、石油製品は、合わせてカザフスタンの輸入総額の6分の1を占める。特にエチレン系ポリマー、スチロール樹脂の輸入が急速に拡大している。このほか、窒素系肥料の需要の80%、合成樹脂塗料は4分の3、その他の塗料は90%を外国製品でまかなっている。医薬品も輸入比率が90%に上る。

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HSコードの2804~3307に分類される化学工業生産品・化粧品の調達先としては、過去3年にわたり、ロシア、中国、ドイツ、ウクライナが上位を占めている。

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