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2012/2/8

ハンガリー

ハンガリー、マレーブ航空の運行停止で財政赤字に拍車か

この記事の要約

マレーブ・ハンガリー航空の運行停止に関連し、政府が巨額の追加支出を迫られるとの懸念が浮上している。ブダペスト国際空港を運営するブダペスト空港の民営化契約で、今回のような事態が生じた場合に15億ユーロ(4兆5,000億フォ […]

マレーブ・ハンガリー航空の運行停止に関連し、政府が巨額の追加支出を迫られるとの懸念が浮上している。ブダペスト国際空港を運営するブダペスト空港の民営化契約で、今回のような事態が生じた場合に15億ユーロ(4兆5,000億フォリント)を一時金として支払うことが定められているためだ。現実となれば、財務に大きな穴が開くだけでなく、赤字目標の達成が難しくなる。

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12月にフェレギ開発相が発表した白書によると、ブダペスト空港は収入の40%強をマレーブに依存する。発着料や不動産使用料などでマレーブが支払う金額は年間150億フォリントを超える。

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また、マレーブと政府が共同出資する航空管制事業公社フンガロコントロールもマレーブからの収入が2010年に900万ユーロ(25億フォリント)と、売上高の10%を占める。フンガロコントロールは、新しい管制センターを設置するプロジェクト(ANS III)を進めており、マレーブがフンガロコントロールの株主から脱落すると、政府の負担はまた増えることになる。

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財政難に陥っているハンガリー政府は今年、財政赤字を国内総生産(GDP)の2.5%に抑制する方針だ。12月には1兆4,000億フォリント規模の2012年度補正予算案を議会で可決した。ただ、欧州委員会は政府の対策が一時的なもので、財政健全化に向けた取り組みが不十分だとして、欧州財務相理事会に同国への制裁措置発動を勧告した。同委は来年に赤字が再び3%を超えると予測している。

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昨年の財政赤字額は1兆7,434億フォリント(56億ユーロ)で、当初予測の3倍に達した。欧州司法裁判所が昨年7月、ハンガリーの付加価値税(VAT)還付手続きが欧州法に反するとして、政府に2,500億フォリント強の還付を命じたことなどが悪化につながった。

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(1HUF=0.35JPY)

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