2012/2/15

総合・マクロ

カザフと独、レアアース開発で協力

この記事の要約

カザフスタンのナザルバエフ大統領の訪独を機に、カザフスタンとドイツ産業界が総額45億ユーロ規模の提携協定を結んだ。希土類(レアアース)の開発・採掘・利用が主な内容で、ドイツ企業を優先的に扱う見返りに、ドイツからの技術移転 […]

カザフスタンのナザルバエフ大統領の訪独を機に、カザフスタンとドイツ産業界が総額45億ユーロ規模の提携協定を結んだ。希土類(レアアース)の開発・採掘・利用が主な内容で、ドイツ企業を優先的に扱う見返りに、ドイツからの技術移転および設備投資を狙う。ドイツ側は長期的にレアアース市場における中国の寡占的地位を崩し、安定供給を確保する目論見だ。

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カザフスタンは世界有数の資源国でウランを産出するが、ウラン生産時に出る鉱石残さ(残りかす)にレアアースが含まれていることがわかっている。2010年には残さからのレアアース回収事業で住友商事と合弁会社を設立し、今年から生産を開始する運びとなっている。

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ドイツ企業側はカザフスタンとの提携を大いに歓迎しながらも、司法や取引・金融システムの不備を指摘している。現状では輸出保証を受けるのも難しいため、改善への取り組みを期待する。

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レアアースはソーラーセルや半導体、フラットテレビ、電気モーターなどハイテク製品の生産に欠かせない。世界生産の9割を占める中国が輸出を規制していることで、メーカーは供給不足・価格高騰に直面している。

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資源生産が本格化するには通常6~10年かかるため、今回の提携が現在の供給不足緩和に直接貢献することはないもよう。

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