ロシア最大の金融機関であるズベルバンクは15日、オーストリア信用組合連合会フォルクスバンクの中東欧事業を完全買収する手続きを完了した。これを足掛かりに中東欧事業を拡大していく方針で、すでにポーランドへの進出に意欲を示している。今後、ロシアの金融機関が潤沢な資金を活用し、西欧の銀行が取り仕切ってきた中東欧市場への参入を進めるとの観測も浮上している。
\ズベルバンクは昨年9月、フォルクスバンクの中東欧子会社であるフォルクスバンク・インターナショナル(VBI)を完全買収することで正式合意していた。買収条件では、フォルクスバンクが財務改善に向けてVBIの売却を迫られていることを背景に、大きな譲歩を引き出すことに成功した。
\最終的な買収金額は5億500万ユーロと、昨秋の合意金額を8,000万ユーロ下回った。また、赤字を出しているルーマニア子会社は買収対象から外された。
\ズベルバンクが買収したのは、スロバキア、チェコ、ハンガリー、スロベニア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、ウクライナの中東欧8カ国の事業だ。支店数は295店舗、顧客数は60万人。昨年9月末現在の資産総額は94億ユーロ だった。
\これまでの株主構成はフォルクスバンクが51%、独DZバンク/WGZバンクが24.5%、仏BPCEが24.5%だった。(東欧経済ニュース9月14日号「露ズベルバンク、VBI買収契約に調印」を参照)
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