2012/2/29

総合・マクロ

ナブッコ計画、縮小も・天然ガス確保が難航

この記事の要約

カスピ海周辺国の天然ガスをトルコ経由で欧州に運ぶ「ナブッコ・パイプライン」の建設計画が縮小される可能性が出てきた。調達できる天然ガスの量が想定を大幅に下回っているため。20日付けの『ウォールストリート・ジャーナル(WWJ […]

カスピ海周辺国の天然ガスをトルコ経由で欧州に運ぶ「ナブッコ・パイプライン」の建設計画が縮小される可能性が出てきた。調達できる天然ガスの量が想定を大幅に下回っているため。20日付けの『ウォールストリート・ジャーナル(WWJ)』が、プロジェクト関係者の話をもとに伝えた。

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ナブッコは、トルコからグルジアを経由してオーストリアに至る全長3,900キロの天然ガスパイプラインで、輸送能力は年間310億立方メートルを見込んでいる。しかしこれまでに天然ガスの調達先として確保できているのはアゼルバイジャンのシャーデニス・ガス田のみで、その他の調達先候補であるイランやトルクメニスタンからは調達の目処が全く立っていない。シャーデニス・ガス田からの供給量は年間100億立方メートルとナブッコの輸送能力の3分の1程度。このためナプッコ・プロジェクトの事業母体であるナブッコ・ガスパイプライン・インターナショナルは、パイプラインの敷設をブルガリアとオーストリアの間に短縮し、輸送能力も半分程度とすることを検討しているという。ナブッコ・ガスパイプライン・インターナショナルの広報担当者ドレザル氏はWWJ紙の取材に対し、パイプラインの総延長や輸送能力について様々なケースで検討を行なっていることを認めたうえで、「我々は今でも当初計画が望ましいと考えており、最終的な決定には至っていない」と語った。

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