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2012/2/22

ポーランド

ポーランド金融業界、新規融資を制限

この記事の要約

ポーランド金融機関が貸し出し条件を厳格化している。景気減速や、政府の政策による負担増が見込まれるためだ。ポーランド国立銀行が国内29行を対象に実施した調査でわかった。\ 調査結果によると、85%が2012年第1四半期に貸 […]

ポーランド金融機関が貸し出し条件を厳格化している。景気減速や、政府の政策による負担増が見込まれるためだ。ポーランド国立銀行が国内29行を対象に実施した調査でわかった。

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調査結果によると、85%が2012年第1四半期に貸し出し条件を厳しくしたか、厳しくする予定だ。理由としては4分の3が景気減速を挙げている。また、多くの銀行が今後、投資プロジェクトへの融資も制限する意向だ。

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銀行の半数は一般世帯の経済的余裕がなくなってくると予測。これが不動産価格の低下につながるとみる。実際に、抵当融資の需要が縮小したと回答した銀行も半数に上る。この背景には、低所得層向けの持ち家促進措置が終了したことがある。

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金融業界団体のピエトラシュキエヴィツ会長が全国紙『ガゼタ・ヴィボルチャ』に語ったところによると、財務省による銀行税導入案や、金融監督庁(KNF)による自己資本比率の引き上げ勧告といった外的条件も新規融資の縮小につながっている。

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銀行は新規貸し出しの制限に向け、融資審査を厳格化する一方で、利ざやも広げている。例えば、オーストリア系のライフアイゼン銀行は、優良顧客に対しての利ざやを1.1%から2.15%まで拡大したという。

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KNFによると、ポーランド金融業界の融資残高は昨年、6,985億ズロチ(1,663億ユーロ)から8,007億ズロチに増加した。一方で預金総額も6,203億ズロチから6,985億ズロチに拡大した。不良債権総額は36億ズロチから881億ズロチに膨らんだ。純利益は157億ズロチと前年の114億ズロチ、2009年の83億ズロチから大きく改善した。(1PLN=25.30JPY)

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