ウクライナの国営ガス企業、ナフトガスが、ドイツの競合RWEから天然ガスを調達する短期契約に調印した。主要調達先であるガスプロムに価格見直しの圧力を高める狙いのようだ。
\RWEは欧州スポット市場でガスを購入し、スロバキアのパイプラインを通じてウクライナに供給する。その量は1日当たり300万立方メートルと少ないが、ナフトガスは調達先を多様化することでガスプロムを値引きに動かしたいところだ。ウクライナのガス消費量は1日当たり1億立方メートルに上っている。
\ナフトガスは2009年にガスプロムと10年間のガス調達契約を締結。しかし、価格が高すぎるとして昨秋以来、現行契約の改定を求めている。ガスプロムはナフトガスとの合併を条件として話し合いに応じる姿勢を示したが、ナフトガス側がこれに難色を示し、交渉は足踏み状態だ。
\ガスプロムによるナフトガス合併阻止に向けても、ウクライナは他の可能性を探っているもようだ。12日付の現地経済紙『コメルサント』によると、供給網の近代化プロジェクトの発注に関して、ウクライナはドイツのAEGインダストリアル・エンジニアリングやドイツ銀行などと交渉している。AEGが受注した場合、ドイツの銀行が4億ユーロをウクライナに融資する内容という。(東欧経済ニュース2011年9月7日号「ロシアとウクライナ、天然ガス紛争再燃か」を参照)
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