ハンガリー政府が財政赤字の削減に向けて、電気通信料金への課税を検討している。現地のニュースポータル「origo.hu」が経済省筋の情報として報じたもので、400億~500億フォリント(1億3,400万~1億6,700万ユーロ)の追加税収を見込んでいるもようだ。
\同税は、ユーロ導入に向けた道筋を示す新しい「収れん計画」の提出に向けて新たな財源を生み出す試み。独『ヴェルト』紙によると、今年7月から固定・携帯電話の通話1分およびショートメッセージ1通当たり2フォリント(0.67ユーロセント)を課税する方針という。収れん計画案は欧州連合(EU)への提出期限を今月末に控え、25日の閣議で検討される見通しだ。
\今回の動きは、電気通信業界を対象とした特別税が欧州法に違反しているとして、欧州委員会が欧州司法裁判所(ECJ)にハンガリーを提訴したことへの対応と推測される。欧州委の見解が認められれば、税収が絶たれるだけでなく、これまでに徴収した分を償還しなければならなくなる。これに備えた財源が必要になるというわけだ。
\収れん計画ではほかに、現金自動預け払い機(ATM)での現金引き出しや口座振り込み・引き落としなど、一般銀行サービスに課税する金融取引税で1,000億~2,000億フォリントの追加収入を見込む。また、公共交通システムの改定で100億~150億フォリント、公共支出の見直しで400億フォリントを削減する。
\ハンガリーは今年1,500億フォリント(5億ユーロ)、来年4,000億フォリント(13億4,000万ユーロ)の赤字削減を迫られている。(東欧経済ニュース3月28日号「欧州委がハンガリーを提訴、電気通信税で」、4月18日号「金融取引税導入は早くて来年=ハンガリー首相」を参照)(1HUF=0.36JPY)
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