中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2012/5/23

総合・マクロ

中東欧経済に収縮の懸念、外的要因が左右=EBRD

この記事の要約

欧州復興開発銀行(EBRD)は18日に発表したリポートで、中東欧経済が今後12カ月で収縮に向かうリスクがあるとの懸念を示した。EBRDは中東欧・中央アジア・中東・北アフリカ33カ国の今年の経済成長率を3.1~3.2%と予 […]

欧州復興開発銀行(EBRD)は18日に発表したリポートで、中東欧経済が今後12カ月で収縮に向かうリスクがあるとの懸念を示した。EBRDは中東欧・中央アジア・中東・北アフリカ33カ国の今年の経済成長率を3.1~3.2%と予測する一方で、欧州債務危機の再燃や原油価格高騰などが引き金となり、マイナス成長に陥る可能性が無視できないとしている。

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債務危機については、震源地のギリシャで総選挙後の組閣が失敗したことや、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が先週、初めてギリシャのユーロ圏離脱の可能性に言及したことを指摘。中東欧市場における最大の貸し手である西欧の銀行による融資縮小につながりかねないとみる。

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バーゼル銀行監督委員会の新自己資本規制「バーゼル3」に代表される規制強化で、金融機関が資本に対する債務の比率削減に努力していることも懸念材料だ。さらに、中東欧の主要取引先であるユーロ圏の経済不振で輸出が減速して成長の足を引っ張ることが予想される。

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なお、EBRDは昨年のアラブ諸国の変革を受けて、従来の活動対象地域であった旧ソ連諸国に加えてチュニジア、エジプト、モロッコおよびヨルダンでも支援を提供することを決定した。今後10年間、これら4カ国に年25億ユーロを投資する計画だ。

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