ルーマニア国家統計局が15日発表した第1四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.1%減となり、2四半期連続で前期を下回った。ユーロ圏の債務危機とそれに伴う緊縮財政を背景に内需が減少、輸出も低迷した。また、厳冬で建設・運輸業が大きな打撃を受けたことも影響し、2009年以来のリセッション(景気後退)に陥った。
\シティグループのアナリスト、イシクラル氏は顧客レポートで、「経済活動の軟化が厳冬などの一時的要因によるものかどうかを見極めるため、第2四半期のデータが重要になる」とコメントした。
\GDPが2四半期連続でマイナスとなったという報道を受け、通貨レウは下落、15日昼には1ユーロが4.4411レウと過去最低の水準となった。ただ、市場関係者はレウ下落の最大の原因は政治情勢の不安定にあると指摘する。ルーマニアでは緊縮財政に対する反発から政権の交代が相次ぎ、今月7日に就任したポンタ首相は今年に入って3人目の首相。11月には総選挙が実施される。
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