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2012/5/30

ハンガリー

メディア法修正案が議会通過、政府の介入権を縮小

この記事の要約

ハンガリー議会は24日、報道の自由を制限するとして問題になっていたメディア法の修正案を可決した。昨年12月の憲法裁判所の判決を受けたもので、政府が介入する権利を縮小し、記者の取材源(情報源)秘匿(とく)を保護する内容。一 […]

ハンガリー議会は24日、報道の自由を制限するとして問題になっていたメディア法の修正案を可決した。昨年12月の憲法裁判所の判決を受けたもので、政府が介入する権利を縮小し、記者の取材源(情報源)秘匿(とく)を保護する内容。一方で欧州理事会が要求していたメディア庁(NMHH)の非党派性は盛り込まれなかった。

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今回の修正の主な内容は(1)プレスメディアの内容が「バランスを欠いて」いないか監視する権利をNMHHからはく奪(2)私的領域の侵害などメディア側の違法行為は裁判を通じてのみ罰せられる(3)放送周波数免許付与の基準改定を撤回――だ。

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(1)はプレスメディアだけが対象で放送メディアに対してはNMHHに監視権が認められている。

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(3)の免許付与基準改定はもともと、政府に批判的なブダペストのラジオ局「クラブラジオ」の運営を止める目的があったとみられている。これによれば、NMHHは落札者に周波数を付与しなくてもよいことになっていた。クラブラジオは昨年末で従来の周波数の使用を禁じられ、新たに周波数の入札に参加した。しかし、無名のペーパーカンパニーが落札者となり、危うく放送中止に追い込まれるところだった。提訴の結果、裁判所が書式上のミスを理由にペーパーカンパニーへの免許付与を禁じたことで、クラブラジオは放送を継続できることになった。

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