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2012/6/13

ロシア

ロシア政府、民営化の基本計画を発表

この記事の要約

ロシアのメドベージェフ首相は7日、民営化の基本計画を承認し、いくつかの大型案件について実施期限を延長することを決定した。計画実行に当たって、現状とリスクを勘案する必要性を説く一方、期限を延ばすだけで計画を推進する方針に変 […]

ロシアのメドベージェフ首相は7日、民営化の基本計画を承認し、いくつかの大型案件について実施期限を延長することを決定した。計画実行に当たって、現状とリスクを勘案する必要性を説く一方、期限を延ばすだけで計画を推進する方針に変更がないことを強調した。

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計画によると、大企業では2013年中に欧州3位銀行のズベルバンク、海運最大手のソフコムフロート、ダイヤモンド採鉱会社のアルロサ、統一穀物会社、ルスナノを民営化する。

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規模としては、ズベルバンクの7.58%(40億米ドル相当)がだんとつで大きい。ソフコムフロートは25%マイナス1株(250億ルーブル以上=7億8,000万ドル)を放出するとしており、規模が2010年11月の政府決定の半分に縮小された。統一穀物会社は49%、ルスナノは10%を民営化する。

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ロスネフチの25%マイナス1株については民営化の期限を従来の2013年末から16年末に延長した。政府は新規株式公開(IPO)を通じ、2006年に同社株を放出。現在の出資比率は75.2%となっており、その時価は2,000億ルーブル(49億ユーロ)に相当する。新たに25%マイナス1株を来年末までに民営化する予定だった。

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国内2位銀行VTBのさらなる民営化についても、期限が2016年まで延長された。

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また、2016年末までの計画として、ロシア農業銀行の全株式、農業機械・設備リースのロスアグロリージングの99.9%の売却、ソフコムフロートおよびアルロサの民営化完了が盛り込まれた。モスクワのシェレメチェボ空港、フラッグキャリアのアエロフロート、発電会社のインターRAO、水力発電のルスギドロの政府保有株売却も予定されている。

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方式としては市場放出、戦略投資家への売却、転換社債発行が選択肢としてあがっている。

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ロシアは世界的な経済危機の只中にあった2009年9月、大型民営化計画を公表した。しかし、それ以来、実現したのは国内2位銀行VTBの部分民営化にとどまっており、政府に実行する意思があるかどうかを怪しむ声もある。

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