中・東欧、CIS諸国、ロシアに特化した情報誌

2012/7/11

ハンガリー

ハンガリー、金融支援交渉再開へ

この記事の要約

ハンガリー議会は6日、中央銀行法改正案を可決した。中央銀行の独立性を脅かす懸念があるとして欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)が修正を求めていたことを受けたもの。欧州委もIMFもこれで金融支援交渉を再開できるとみてお […]

ハンガリー議会は6日、中央銀行法改正案を可決した。中央銀行の独立性を脅かす懸念があるとして欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)が修正を求めていたことを受けたもの。欧州委もIMFもこれで金融支援交渉を再開できるとみており、合同交渉団が今月17~25日にブダペストを訪れる見通しだ。ただ、銀行サービスに課税する金融取引税の対象を中央銀行にも広げる政府の方針が新たな交渉の障害になる可能性がある。

\

修正の主な内容は(1)中銀総裁の罷免を難しくする(2)金融政策委員会が政府に議題を提出する義務を廃止(3)政府が金融政策委員会に代表を送る権利を廃止――など。(1)については、罷免に最高裁の承認が必要となる。

\

ハンガリーは昨年11月、通貨フォリントの為替相場が過去最安値を記録したことを受け、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に総額150億ユーロの金融支援を申請した。しかし、EUとIMFは新しい中銀法によって中央銀行の独立性が十分に保証されていないと判断し、同12月に交渉を中断した。欧州委はオルバン政権に対し、同法の改正が成らなければ欧州裁判所に提訴する方針を示していた。

\