ユーロ圏諸国の債務問題の深刻化にも関わらず、ラトビアは2012年にユーロを導入する目標を堅持している。先月1日には、導入の基準である物価の安定を図るため、付加価値税(VAT)の税率を22%から21%へ引き下げた。その効果があってか、中央統計局がこのほど発表した7月の消費者物価(修正値)は前月比0.5%減、前年同月比では1.7%増となった。
\VAT減税の効果のほどについては政府内でも意見が分かれている。財務省はその効果を強調し、今後数カ月にわたってインフレが抑制され、来春には基準をクリアできるとの立場だ。
\一方でドムブロフスキス首相は、最大限の効果は得られなかったとみている。減税に先立ち、国内小売業界は減税分をすべて価格から差し引く内容の覚書を政府と交わした。しかし、小売業者の中にはこれに従わなかったところもあったという。
\7月は、今期収穫の野菜が出回り始めたり、衣料品の夏季セールなどで価格が下がる傾向にあり、今回のインフレ率低下も季節的要因で説明できる部分が多い。このため、減税の効果について確かなことが分かるのは、もう少し先になりそうだ。
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