2012/8/29

CIS諸国

ウクライナの黒海沖ガス開発権、エクソン主導連合が獲得

この記事の要約

ウクライナ政府はこのほど、米石油大手エクソンモービルと英蘭石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルが主導する企業連合に黒海沖の「スキフスキー・ガス田」の開発権を付与した。国内の資源開発を加速させ、ロシアへのエネルギー依存か […]

ウクライナ政府はこのほど、米石油大手エクソンモービルと英蘭石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルが主導する企業連合に黒海沖の「スキフスキー・ガス田」の開発権を付与した。国内の資源開発を加速させ、ロシアへのエネルギー依存から脱却を目指す戦略の一環で、外資の技術と資金を導入して天然資源の豊富な黒海での資源開発に本腰を入れる。

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企業連合にはエクソンモービルとロイヤル・ダッチ・シェルのほか、ルーマニア石油・天然ガス大手OMVペトロムとウクライナ国営ナドラ・ウクライナが参加する。合意によると、企業連合側は生産分与協定(PSA)の締結にあたってウクライナ政府に3億2,500万米ドルを支払うほか、投資資金が回収できた時点で、利益の25%を支払うことになっている。スキフスキー・ガス田の面積は1万6,698平方キロメートル。推定埋蔵量は2,000億~2,500億立方メートルで、年間生産量は30億~40億立方メートルが見込まれており、投資総額は100億ドルを超える可能性がある。

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ウクライナは国内で消費する天然ガスの7割近くをロシアからの輸入に頼っているが、両国の間ではガス価格をめぐる対立が続いている。政府はロシアからのガス輸入を減らすため石炭の生産を拡大するとともに、国内でシェールガスなどの資源開発を本格化させる方針を打ち出している。

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