大手会計事務所のデロイトがこのほど発表した最新の「中東欧企業トップ500社」は、前年と比べて大きな変動はなかったものの、原料価格の上昇と需要の不振で利益の伸びは小さくなった。1位がポーランドのPKNオルレン(石油)、2位がハンガリーのMOL(石油)、3位がチェコのシュコダ(自動車)とトップ3の顔ぶれは前年と同じだった。
\業界別では石油企業が上位10位中7社を占め、前年までと同様、大きな存在感を示した。ただし、ポーランドのガス企業PGNiGが前年の8位から12位に転落。同じポーランドの石油会社ロトスが11位から7位に上昇して入れ替わった。
\製造企業では3位のシュコダのほか、前年の6位から4位に上昇したウクライナの鉄鋼大手メトインベストがランクインした。残る1社は小売のジェロニモ・マーティンス(ポーランド)だった。
\国籍別ではポーランドが167社で1位。チェコが84社で2位につけた。以下、ハンガリーが58社、ウクライナが50社、ルーマニアが37社、スロバキアが31社と続いた。
\ランクが急上昇したのはポーランドのプラスチック・化学企業アゾティ・タルヌフだ。2件の企業買収を通じ、前年の416位から一気に144位まで改善した。チェコの現代自動車も追加投資が奏功し149位から51位にアップした。エストニアの燃料取引業バルティック・インターナショナル・トレーニングは売上を106%拡大し、326位から136位へ上昇した。
\500社の売上高合計は7,070億ユーロと前年から9.8%増加し、初めて金融危機前の水準に回復した。しかし、今年第1四半期の伸び率は約4%にとどまり、成長が鈍化している。
\2011年に増収を達成したのは500社のうち76.6%に上ったが、今年第1四半期では62.9%に後退した。37.1%の企業が減収を報告している。
\最終利益の合計は昨年の3.5%減に続き、今年第1四半期は5.6%も縮小した。
\チェコ企業ではシュコダのほか、RWEトランスガス、アグロフェルト(農業・食品・化学)など、5社が上位30位入りした。鴻海精密(フォックスコン・チェコ)は25位だった。
\スロバキア企業ではフォルクスワーゲンが最高で17位につけた。スロブナフト(石油)は20位、起亜自動車は36位、サムスン電子は39位、PSAプジョー・シトロエンは106位、鴻海精密(フォックスコン・スロバキア)は193位だった。
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