チェコとスロバキアの企業が節税対策としてハンガリーに積極的に進出していることが、チェコの企業情報調査会社CEKIAの調べで分かった。2009年以来、起業時にハンガリーを本社として登録するケースがチェコで41%、スロバキアで50%増加したという。
\CEKIAのアナリスト、ペトラ・ステパノヴァ氏によると、ビジネス環境は欧州でスペインと並んで最下位だが、中小企業にとっては税制面でのメリットが大きいという。
\ハンガリーの法人税率は税引き前利益5億フォリント(1,800万ユーロ)以下で10%、これを超えると19%。チェコとスロバキアでは一律19%で、中小企業にとってハンガリーの魅力が大きいことがうかがえる。
\特にライセンス販売業者には有利だ。課税ベースが売上高の半分となっているためで、税引き前利益が5億フォリント以下の企業の法人税率は事実上5%前後にとどまる。利益が5億フォリントを超えると9.5%に上昇するが、それでも本国よりもずっと低い。
\国外に拠点を移したチェコ企業の数は、今年上半期に前年同期比で10.5%拡大した。ステパノヴァ氏は、「ハンガリー経済が低迷していることは事実だが、同国の政府は成長をうながす道を模索しているようだ」と話す。地理的に近いチェコとスロバキアの企業誘致がその戦略の一つとみている。オーストリア企業がハンガリー進出に積極的になっている事実はこれまでのところ、明らかになっていない。
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