欧州中央銀行(ECB)にユーロ圏の金融機関を監督する権限を与える欧州委員会の提案に、ポーランドが反対の姿勢を打ち出した。欧州委がユーロ未導入国も対象とする考えであり、ECBで議決権を持たないポーランドにとって新制度は不利と考えている。
\ロストフスキ財相は、週末に欧州財務相会合が開かれたキプロスでポーランドPAP通信のインタビューに答え、「現時点では我が国にとって欧州委の提案は興味あるものとはいえない」と話した。また、欧州委案の実現には欧州条約の改正が必要として、議論にも参加しない方針だ。欧州銀行監督機構(EBA)が各国の監督当局を統括する現行制度のほうがポーランドの利益になるとして、その維持に力を尽くすという。
\国内の専門家からは財相の意見を支持すると同時に、ユーロ導入を計画する政府の方針と合致しないとの声があがっている。
\ポーランドの金融部門は過去数年間、安定を保っており、これがロストフスキ財相の発言の背景にあるとみられている。ポーランドの銀行監督当局KNFが8月に発表した報告書によると、同国銀行業界の利益総額は昨年157億ズロチ(38億3,000万ユーロ)に達し、前年実績を37.5%も上回った。ポーランド国立銀行の調べでは、今年上半期の利益も前年同期比3.1%増の80億4,000万ズロチに拡大した。
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