2012/10/10

ポーランド

オーストリアのデベロッパー、ポーランドに積極投資

この記事の要約

オーストリアからの不動産投資がなければ、首都ワルシャワの景観は現在とは全く違うものとなっていたかもしれない。最高級ホテルは同国開発大手のWarimpex、UBM、ストラバグの所有で、国立競技場はアルピネが建設した。ユニー […]

オーストリアからの不動産投資がなければ、首都ワルシャワの景観は現在とは全く違うものとなっていたかもしれない。最高級ホテルは同国開発大手のWarimpex、UBM、ストラバグの所有で、国立競技場はアルピネが建設した。ユニークな形のビジネスビルはS+Bグループ、最大のビジネスパークはUBMとCAイモが手がけた。このような具合に、代表的な建築物の裏にはオーストリア企業の存在がある。

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中東欧諸国での開発プロジェクトの動きが鈍くなる中で、ポーランドはオーストリアのデベロッパーにとって例外的な位置を占めるようだ。今でも新たなプロジェクトの発表が続いている。

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■ルブリンに大型商業施設建設

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イモフィナンツは2日、ポーランド東部ルブリンに1億1,500万ユーロを投じて大型ショッピングセンター「Tarasy Zamkowe」を建設すると発表した。今月中に着工し、2014年秋の開設を予定している。

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Tarasy Zamkowは、旧市街のルブリン城近くにあるショッピングセンター「Galeria Zamek」の跡地に建設する。総賃貸面積は3万7,000平方メートルで、150店舗の入居が可能。屋上を緑化し、旧市街とルブリン城が展望できるようにする。英BREEAMのグリーンビルディング認証の取得を狙う。雇用規模は2,000人を見込む。

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イモフィナンツのツェートナー最高経営責任者(CEO)は、「ルブリン市の人口は35万人、周辺地域の人口は80万人で、小売業界にとって魅力的な市場だ。ルブリンの経済が堅調であることと、小売店舗密度が低いことが、Galeria Zamekの跡地を買収する決め手となった」と説明した。また、ルブリン市のインフラ整備を支援するため1,200万ユーロを投資することも明らかにした。

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イモフィナンツは1990年の創業で、オーストリア、ドイツ、チェコ、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ポーランド、ロシアで不動産開発事業を展開している。保有する不動産1,820件の帳簿価額は103億8,000万ユーロで、このうちポーランド資産は10億ユーロ弱に上る。最近ではカトヴィツェで、住宅プロジェクトとシレジア・ショッピングセンターの拡張計画を推進している。

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一方、UBMは2,500万ユーロを投じ、クラクフで高さ51メートルのビジネスビルを建設する。また、CAイモと提携して推進するワルシャワのポレチュキ・ビジネスパーク・プロジェクトでは、今後数年にわたり1億ユーロ超を共同投資する計画だ。

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UBMはこのほかにも、それほど規模の大きくないショッピングセンターを複数建設している。ルブリンではイモフィナンツとの共同プロジェクトであるショッピングセンターがこのほど完工した。

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■経済好調が人気の理由

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ポーランドに注目しているのはオーストリア企業だけではない。国際的調査の多くで、ポーランドは不動産投資先として欧州で最も人気の高い国との結果が出ている。

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理由の一つとして、2007年から11年までの経済成長が年平均で4%を超え、欧州連合で最高だったことが挙げられる。国家債務も少ない。不動産景気をけん引したサッカー欧州選手権(ユーロ2012)は終わったが、来年も経済は3.5%の伸びが見込まれている。失業率は10%で、都市に限るとそれを下回る。

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