2012/10/31

総合・マクロ

リトアニアで左派連立政権樹立へ、原発計画に修正も

この記事の要約

リトアニアで28日実施された議会選挙(定数141)の第2回投票で、事前予想通り社会民主党(LSDP)が勝利した。同党はアルギルダス・ブトケヴィチュース党首を首班とする左派連立政権の樹立に向けて、労働党(DP)および「正義 […]

リトアニアで28日実施された議会選挙(定数141)の第2回投票で、事前予想通り社会民主党(LSDP)が勝利した。同党はアルギルダス・ブトケヴィチュース党首を首班とする左派連立政権の樹立に向けて、労働党(DP)および「正義と秩序(PTiT)」と基本合意。緊縮財政で人気を落としたクビリウス首相の右派中道政権の敗退が確実となった。ただ、左派3党の組閣については、首相の指名権を持つダリア・グリバウスカイテ大統領が労働党の政権参加に反対する姿勢を明確にしており、その行方に影を落としている。

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中央選挙管理委員会の29日発表によると、14日の第1回投票の結果と合わせ、社会民主党が38議席を獲得し、第1党の座を確保した。以下、クビリウス首相の祖国同盟・リトアニアキリスト教民主党(TK-LKD)が33議席、労働党が29議席、「正義と秩序」が11議席、連立与党だった自由運動(LRLS)が10議席と続いた。やはり連立内閣を構成していた自由中央同盟(LiCS)はゼロとなった。その他の議席は少数政党や無所属候補が獲得した。

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グリバウスカイテ大統領は、今回の選挙に関連して進められている選挙違反捜査27件のうち、18件が労働党に関わるものと指摘。ヴィクトル・ウスパスキッチ党首が脱税など多くの刑事訴訟で訴追されていることも挙げて、政権参加に反対する姿勢を示した。

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■原発建設計画に反対=次期首相

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ブトケヴィチュース次期首相は、原子力政策の修正を予告した。自身は原発賛成派と断った上で、日立との契約に向けて準備されたヴィサギナス原発建設の契約書は十分な検討を受けていないとして、プロジェクトの続行に反対する立場を明らかにした。

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他の政策については、前政権の方針を基本的に踏襲する。2015年にユーロを導入するほか、緊縮政策を続行して財政赤字を対国内総生産(GDP)比で2.5%以内に抑える目標だ。(東欧経済ニュース10月17日号「リトアニア国民投票で原発ノー、日立の事業戦略に影響も」を参照)

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